「戦争の恐ろしさ、伝えていく」愛媛県戦没者追悼式に約800人参列

川村貴大
[PR]

 終戦から79年となった15日、戦争の犠牲になった愛媛県関係者4万5813人を悼む戦没者追悼式が松山市の県民文化会館で開かれ、遺族ら約800人が参列した。

 遺族代表を務めたのは5歳のときに旧陸軍兵長の父を亡くした山下幸良(ゆきよし)さん(84)=松野町。追悼の辞で「父の遺骨が帰ってくると連絡があり、大勢の地域の方と駅で出迎え、何も入っていない骨つぼを抱えたときの悲しみは今でも心に刻まれている」と語り、「二度と戦死者を出してはいけない。二度と我々のような戦没者遺族を出さないでほしい」と訴えた。

 中村時広知事は式辞でロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザでの戦闘に触れ、「今なお紛争により多くの命が奪われる悲痛な出来事が後を絶たない」と述べた。

 その上で、「若い方々に戦争の悲惨さと平和のありがたさ、重みを語り継ぎ、真に平和な国際社会の構築に向け不断の努力を続けなければならない」と語った。

 孫・ひ孫世代を代表して献花した中学3年の西村優成さん(14)=松山市=は式の後、「僕たち若い世代が戦争の恐ろしさを(体験者から)聞いて、伝えていきたい」と話した。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
川村貴大
松山総局|県政・教育担当
専門・関心分野
教育