「おいしい病院食」のノウハウ、高齢化する街で 病院の栄養士が食堂

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三木一哉
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 住民の高齢化が進む相模原市緑区のニュータウン「若葉台住宅」に今年1月、新たに飲食店「信壽(しんじゅ)亭」がオープンした。開業したのは病院栄養士の金子哲也さん(38)を中心にした5人のオーナーたちだ。

 「(店を)続ける人が来てくれて本当によかった。ここなら歩いて食べに来られるしね」

 土曜日のお昼時。近くの70代男性が持ち帰りの唐揚げを買っていた。

 若葉台住宅は1970年代に造成された。分譲から半世紀近くが経ち、住民の高齢化が進む。中心部の商店街もほとんどが閉店している。

 「信壽亭」があった場所にはもともと精肉店があり、昨年11月まで「壽(ことぶき)屋」という居酒屋が営業していた。身近な宴会の場で、地域コミュニティーの核だったが、店主が高齢となり、続けられなくなっていた。

「味が二の次だと患者は食べない」

 金子さんは15年間、病院で…

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この記事を書いた人
三木一哉
横浜総局|相模原地域担当
専門・関心分野
相模原の歴史、東アジアと日本のかかわり、公共交通など