恐れ、怒り、悲しみ、内気さ… 幼児期の気質、腸内細菌に関係か

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桜井林太郎
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 幼児期の気質(反応や行動の個人差)のうち、恐れや怒り、悲しみといった感情が、腸内細菌叢(そう)(腸内にすみつく細菌の集まり)の構成と関係すると、京都大の明和政子教授(神経科学)や大阪大などの研究チームが米国の専門誌に発表した。腸内細菌叢の多様性が高い幼児は、新しいことに挑戦したり興味に基づいて行動したりする傾向も確認された。

 研究チームは、近年の研究から大人で心身の健康とのかかわりがわかってきた腸内細菌叢に注目。菌の構成や多様性は生後3~5歳ごろまでに安定し大人に近づいていくとされ、このころに記憶や感情、行動の制御にかかわる脳の前頭前野も急激に発達することから、関連を調べた。

 3~4歳の保育園や幼稚園などに通う幼児284人の過去2週間の行動について、国際的な指標に基づく質問92項目に母親に各1~7点で評価してもらったほか、幼児の糞便(ふんべん)の遺伝子情報を解析して腸内細菌叢の多様性や構成の違いなどを比較した。

 その結果、恐れ、怒り、悲しみ、内気さといった感情が高い子どもや、新しいことに挑戦したり興味に基づいて行動したりする「衝動性」が低い子どもでは、腸内環境を整える酪酸をつくったり、炎症を抑えたりする細菌が少なく、炎症を誘発する細菌が多かった。

 「衝動性」については、腸内細菌叢の多様性が高い子どもほど点数が高かった。

 恐れと怒り、悲しみ、内気さ…

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この記事を書いた人
桜井林太郎
科学みらい部
専門・関心分野
環境・エネルギー、先端技術、医療、科学技術政策