小児がんの11歳、かなった家族旅行 「当たり前な願い」支援広がる

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小林一茂
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 小児がんや難病などの子どもと、その家族の旅行を支援する活動が広がっている。医師や看護師などが付き添うことで、子どもはもとより、ふだん世話にかかりっきりになっている保護者も、安心して家族旅行を楽しむことができる。かけがえのない思い出がつくれるとあって、応募する家族が増えている。

 7月中旬、東京・新宿の小田急ロマンスカーが発着するホームに、車いすに座る向井優翔(ゆうと)君(11)と両親の姿があった。

 「優翔君、元気?」

 認定NPO法人「ジャパンハート」の看護師、川原沙菜さん(28)が声をかけると、優翔君がはにかんだ。「バイタルは取らなくても大丈夫そうですね」。母親の和美さん(47)に気さくに話しかける。川原さんが面談をしたのは1週間前。優翔君の体調や治療の状況、薬などを確認。直前まで体調を見極め、2泊3日の箱根旅行にこぎ着けた。「病気になってからは、旅行も都内ばかりだったので楽しみです」と和美さん。ロマンスカーの最前列で優翔君は牛丼弁当をほおばっていた。

 ジャパンハートでは、小児がんの子どもと家族の旅行を支援する「スマイルスマイルプロジェクト」を企画している。同行する医師や看護師が旅行プランを家族と話し合い、現地での宿泊先や移動手段の確保のほか、緊急時に頼る最寄りの医療機関との調整もする。

落ち込む両親に「俺メンタル強いから」

 優翔君は昨年6月に腹痛を訴…

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