アニメーター不足深刻、低賃金解消へ動く業界 識者「政府が介入を」

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岩沢志気 井東礁
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 日本アニメの人気が世界的に高まり、制作本数が増えるなか、作画を担うアニメーターの不足が深刻化している。業界は人材の確保や育成に力を入れるが、不足の背景には構造的な低賃金の問題があり、政府に積極的な対応を求める声も出ている。

奨励金支給し育成・雇用

 8月下旬、東京都中野区。アニメ制作大手トムス・エンタテインメント(TMS)の社内の一室で、6人の研修生が講師の指導を受けながら、A4サイズの紙に黙々とアニメのキャラクターを描いていた。

 同社が2021年度に始めたプログラム「TMS作画アカデミー」の一コマだ。毎年5人ほどを募集。1年間かけて作画を基本から学ぶ。実際に放映する作品の作業に携わる実習もあり、リアルな現場を知ることができる。

 研修は週5日、午前10時~…

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この記事を書いた人
岩沢志気
経済部|消費・流通担当キャップ
専門・関心分野
食、エンタメ、流通、エネルギー
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    サンキュータツオ
    (漫才師・日本語学者)
    2024年9月29日12時41分 投稿
    【視点】

    アニメに詳しくない人でも業界の事情がよく理解できる非常に丁寧な記事です。 アニメーターや制作会社の低賃金問題は、現場で実務をしている人がもっとも条件と環境が悪いという意味で物流業界などとも共通している構造的な問題があります。 こうした構造の

    …続きを読む