首都圏に住む男性(22)が中学受験をすると決めたのは、小学6年になってからだった。公立小の授業のレベルが低いように感じられ、「地元の公立中には行きたくない」と自ら望んだ。
通っていた塾では成績上位ではなかったが、基礎を磨いて成績を上げ、塾の偏差値表の上の方にある私立中高一貫校に合格した。文化祭に行き、雰囲気も含めて気に入っていた第一志望校。両親とともに喜んだ。
だが、入学してすぐ、心身の疲労に苦しむようになった。毎日、学校から帰るとへとへとになり、何もする気が起きなかった。運動部の活動に加え、往復とも満員電車だったのがこたえた。
耐えがたかったのは、息抜きができないことだった。保護者の方針で、ゲームは一切禁止。学校では人気ゲームの話題についていけなかった。休日は、録画したテレビ番組を何回も見るぐらいしかやることがない。心身の疲労からか、勉強には気が向かなかった。
周囲の生徒はもともと学力が高い上、当たり前のように勉強に打ち込んだ。学校の進度の速さに取り残され、成績はだんだん落ちていく。自分以外のみんなが優秀に見え、劣等感が募った。
「駄目な人間、死んだ方が…」
「駄目な人間だから、早く死…
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