釣りバカ日誌「ハマちゃん」も登場 大徳寺「真珠庵」 襖絵を3年ぶりに公開

平野圭祐
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 室町時代の禅僧・一休宗純や千利休織田信長豊臣秀吉といった戦国武将らと関係が深い大徳寺(京都市北区)。普段は入れない塔頭(たっちゅう)寺院が特別公開されている。真珠庵は3年ぶりの公開。漫画やアニメ、ゲーム界などで活躍する現代作家が手がけた襖絵(ふすまえ)が披露されるなど、見どころは満載だ。

 真珠庵は一休宗純が亡くなった10年後の1491年、堺の豪商・尾和宗臨(おわそうりん)によって建てられた。方丈には通常、創建のころに描かれた絵師・曾我蛇足(そがだそく)の襖絵、後に描かれた長谷川等伯の襖絵がはまるが、今回は「釣りバカ日誌」で知られる漫画家・北見けんいちさんやゲーム「ファイナルファンタジー」のアートディレクターを務めた上国料勇(かみこくりょういさむ)さんら6人の現代作家の襖絵が並ぶ。

 約400年ぶりに新調された襖絵で4年ぶりの公開。禅寺と現代アートの組み合わせが面白い。北見さんの作品タイトルは「楽園」。自身が通い続ける与論島鹿児島県)の宴会の様子が描かれており、よく見ると、大好きなローリング・ストーンズの歌を熱唱する山田宗正住職の姿もある。「型破りな一休さんが開祖だけに、襖絵のテーマは何でもあり。若い世代がお寺に足を運ぶきっかけになり、一休さんの生き方や精神に触れてもらう機会になればうれしい」と話す。

 境内には紫式部の産湯として使用したと伝わる井戸があり、そのゆかりで「源氏物語図屏風(びょうぶ)」(江戸時代)を初公開。茶室「庭玉軒」は、建物の中に露地がある、雪国造りの内蹲居(うちつくばい)が特徴の珍しい構造を持つ。

総見院

 本能寺の変で、明智光秀の謀反により自害した織田信長の菩提(ぼだい)を弔うため、豊臣秀吉が建立した。

 本堂に安置された「木造織田信長坐像(ざぞう)」(国重要文化財)は等身大の像で、織田信長の一周忌に、京都の代表的な仏所である七条仏師の系譜に属する康清(こうせい)が造った。織田家一族の墓所も公開される。

黄梅院

 千利休が66歳の時に作庭したと伝わる直中庭(じきちゅうてい)には、豊臣秀吉の馬印である瓢簞(ひょうたん)をかたどった空池がある。不識庵(ふしきあん)に並ぶいすに腰掛けながら庭を眺めて、ゆったりと時間を過ごせる。

 「竹林七賢図」(国重要文化財、展示は複製)の襖絵は、桃山時代の画家、雲谷等顔(うんこくとうがん)の代表作だ。禅宗寺院で最古の庫裏は国の重要文化財。秋が深まると紅葉が美しい。

興臨院

 能登の守護・畠山義総(はたけやまよしふさ)が創建。加賀藩主・前田利家による修復以降、前田家の菩提(ぼだい)寺ともなる。

 「昭和の小堀遠州」とも呼ばれた造園家・中根金作が、残された資料から復元した方丈庭園が見どころ。明治から昭和時代前期の実業家、山口玄洞(やまぐちげんどう)が寄進した茶室「涵虚亭(かんきょてい)」がある。11月中旬ごろから紅葉が色づく。本堂、表門、唐門は国の重要文化財

        ◇

【開催期間、拝観時間、拝観料】

真珠庵(12月8日まで)

 午前9時30分~午後3時30分(受付終了)

大人2千円、高校生1千円、小中学生500円(保護者同伴)

※11月24日~26日は休止

総見院(11月30日まで)

 午前10時~午後4時(受付終了)、11月3日は午前11時30分から受付開始

 大人800円、中高生400円、小学生以下無料(保護者同伴)

※11月21日、22日は休止

黄梅院(12月8日まで)

 午前10時~午後4時(受付終了)

 大人800円、中高生400円、小学生以下無料(保護者同伴)

※10月30日は休止

興臨院(12月15日まで)

 午前10時~午後4時30分(受付終了)、12月2日以降は午後4時受付終了

 大人800円、中高生400円、小学生300円(保護者同伴)

特別協力 朝日新聞社

問い合わせは、京都春秋(075・231・7015)まで。

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