新設の選挙区、足並み乱れ表面化した自公の溝 行き場を失った自民票
松島研人 野口駿
「10増10減」の区割り変更で新設された愛知16区は、県内で唯一、自民が擁立を見送り、公明新顔が「与党統一候補」で立った。与野党が入り乱れた混戦を制したのは国民新顔の福田徹氏(42)。自民党内の不満を押さえ込んで擁立した公明候補の敗北で、今後の自公関係にしこりを残しかねない形となった。
「全て私の力不足。大変申し訳ございません」
27日深夜、落選が決まった公明新顔の犬飼明佳氏(52)は、目を赤くして集まった支援者らに頭を下げた。
くすぶる不満、乱れた自公の足並み
16区(愛知県犬山市など)は、元々保守系が強い土地柄とされるが、今回は裏金問題での逆風が強く吹き付けた。
加えて、自公の足並みも乱れた。公明は昨年、比例東海ブロック選出の衆院議員だった伊藤渉氏の16区への擁立を決めた。公明は近年、組織力の低下から比例票が減少。今回、2000年以来となる県内の小選挙区への擁立で、党勢維持を狙った。
しかし、機先を制された自民県連は反発。「自民独自候補の擁立」を求める声もあがったが、公明との関係を重視する党本部の意向で断念に追い込まれた。
ただ、不満はくすぶり続けた…