第1回「これまで人権ないがしろに」フリーランス、新法に期待 よぎる不安

有料記事フリーランス法 期待と懸念

高島曜介
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 東京都内のグラフィックデザイナーの女性(54)は6年ほど前から、イベント用の広告やホームページの作成などをフリーランス(個人事業主)として企業から請け負ってきた。

 「デザイン一式」「前回と同じで」。発注内容はいつもあいまいで、契約書もない。

 2022年、商業施設のイベント広告の作成を広告会社から委託されたことがあった。チラシ4ページ分で、バナーとポスターを含めた報酬は50万円の約束。だが、制作途中に6ページに増やすよう求められた。報酬を増やしてと訴えたが、返事は「最初の予算で組んでいる。それ以上の返答はできない」だった。

 フリーランスという働き方を守る法律が、11月1日に施行されました。発注業者である企業などから不当な取引を強いられることを防ぐと期待される一方、当事者の間には不安も残ります。

報酬「2分の1」でも泣き寝入り

 当初の話では、同様の広告を…

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この記事を書いた人
高島曜介
東京社会部|調査報道担当
専門・関心分野
事件、外交、安全保障
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    辛酸なめ子
    (漫画家・コラムニスト)
    2024年10月31日11時0分 投稿
    【視点】

    フリーランス法についてのシリーズを読んでいると、いろいろな思い出がよぎって涙がにじみます。フリーの漫画家さんやライターさんなど周りの人は腰が低くて繊細な人が多く、やはり立場が弱いという状況に慣れているので、相手に気を使う癖ができているのかも

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    松谷創一郎
    (ジャーナリスト)
    2024年10月31日11時0分 投稿
    【視点】

    フリーランス法の実効性については、いくつか気になる点があります。 まず、フリーランスのひとびとが取引条件の明確化を求めることで仕事が減ってしまうのではないかと不安に感じている現状があります。また、記事にもあるようにこの法律が施行されること

    …続きを読む