頸落滝に蛇喰池、三重・伊賀、名張の地名 由来を解き明かす書籍出版
三重県伊賀、名張両市の地名に着目し、その由来を解き明かす「伊賀地名考」(揺籃(ようらん)社)が出版された。
執筆したのは、2007年に発足した市民団体「伊賀の國(くに)地名研究会」のメンバー9人。第43回全国地名研究者伊賀大会が10月に開かれたのを機に、過去に新聞で連載したものから、忍者や松尾芭蕉、伝承、城下町などのテーマで8章に分け、約50の地名を紹介した。
たとえば、「鼈渕(すっぽんふち)」「牛鬼渕」「蛇喰池(じゃばみいけ)」はなにやら恐ろしい伝説を想起させる。源義経が縁起が悪いと避けた「頸落滝(くびおちのたき)」、弘法大師の伝承に関わる「夕部柿(ゆうべがき)」など著名人とつながる地名も。「山之神平(やまのかみひら)」は山岳信仰と、通称「旗振り山」だった数々の山は大阪の米相場と関わりがあるという。日本地名研究所(川崎市)の初代所長の故・谷川健一氏、現所長の金田久璋氏の特別寄稿も載せている。
会長で小学校教諭の辻喜嗣(よしつぐ)さん(65)は「中高校生も気軽に読める。ガイドブックとして現地に足を運んでほしい」と話す。
A5判、141ページで、1430円(税込み)。伊賀、名張両市の書店で扱っている。問い合わせは辻さん(090・1414・3644)へ。
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