AIに文学が書けるのか 「本心」を書いた平野啓一郎さんの答えは

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コーディネーター・秋山訓子
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朝日地球会議2024」のセッションから

 小説家の平野啓一郎さんとフィナンシャル・タイムズ紙の編集委員でコラムニストのジリアン・テットさんをゲストに迎えた「朝日地球会議2024」のセッション「AIで世界は読み解けない? 人類学×文学で見る社会」では、AI(人工知能)が身近になりつつある現在を考えた。国際交流基金との共同セッションだ。

 平野さんは近著「本心」で、近い未来の日本を舞台に亡くなった母をAI技術でよみがえらせ、母の「本当の心」を知ろうとする青年の姿を描いた。11月に映画が公開された。

 テットさんは文化人類学の博士号を持ち、フィナンシャル・タイムズ紙の特派員として1997年から2002年まで日本に滞在した。近著「アンソロ・ビジョン」で、データや数値は万能でなく、文化の多様性を踏まえて包括的に事象をとらえる人類学的な思考や視点が、現代社会を見るのに役立つと説いた。

 セッションではまず、それぞれに近著を書いた理由をたずねた。

 平野さんは、「自分は団塊ジ…

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この記事を書いた人
秋山訓子
編集委員
専門・関心分野
国内政治、民主主義、市民社会、ジェンダー