カーリング映画に込めた「頑張れローカル少女」 富山出身の本木監督

佐藤美千代
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 富山市出身の映画監督・本木克英さんが、新作の青春映画カーリングの神様」公開に合わせ、市内の劇場で舞台あいさつをした。撮影の裏側を紹介し、「未来のために若者を信じよう、と描いた」と語った。

 カーリングは丸い石(ストーン)を氷上で投げて滑らせ、ブラシで掃くなどして狙った位置に止め、得点を競う。2022年北京五輪で、日本女子が銀メダルを獲得し、より知られるようになった。

 映画は、競技が盛んな長野県御代田町を舞台に実在の民営カーリング場などで撮影された。本田望結さんら演じる女子高校生たちが、衝突しながら心を通わせ、大会を目指して奮闘する。

 「JMAXシアターとやま」で8日、舞台あいさつに立った本木さんは、自身が体験したカーリングの難しさを「靴が左右で違い、歩くだけでひっくり返る」と表現。俳優に1カ月以上の練習を課したことを明かした。

 最大の見せ場は、激しく競る試合シーンだ。投げた石がどう動き、配置がどう変化して得点するのか。事前に細かく設定し、再現できるまで何度も投げてもらったという。

 試合の要所には実況中継が挟まれ、ルールを知らなくても試合の流れが理解できる仕掛けだ。

 恋愛の要素はあえて排し、純粋に競技に打ち込む若者を描いた。様々な立場で彼女たちを支える地域の人を、高島礼子さん、柄本明さんらベテランが好演する。

 カーリングの魅力に加え、「頑張れローカル少女」が作品のテーマだと、本木さん。人口減少など地方が厳しい状況に置かれる中、「どうしたら地元に足をつけて、人生を充実したものにできるのか。そんなことを考えてほしい」。全国各地で上映中。

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