「言葉で詩が書けるのか」俵万智さんが触れた谷川俊太郎さんの誠実さ

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聞き手・佐々波幸子
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 13日に亡くなった詩人の谷川俊太郎さんと歌人の俵万智さんは生前親交があり、コロナ禍の2021年にはオンラインで155分間語り合いました。心に刻まれた谷川さんとのやりとりを俵さんに伺いました。

     ◇

 3年前に対談させていただいたとき、「僕は詩を書き始めたときから詩を疑っていたし、言葉も疑っていた」とおっしゃって。

 谷川さんほど言葉で何でもできる人はいないのに、谷川さんが疑ってどうするんですか、という気持ちだったけれど、「言葉で詩が書けるのか」という疑いを持っているということは、ある意味すごく誠実だな、と思いました。

 言葉と世界はどうしてもずれがあるから、完全に一致はしていない。そのことを人はのんきに忘れて、言葉で何かを書けたつもりになっているのだけれど、一番疑わなくてもいいような人が、いまだに疑っているということに感銘を受けました。

 短歌には五七五七七という定…

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この記事を書いた人
佐々波幸子
文化部|歌壇担当
専門・関心分野
短歌、子どもの本、投稿(生活者の声)
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