シンガポール与党トップ、リー・シェンロン氏退任へ「世代交代完了」
バンコク=伊藤弘毅
シンガポール初代首相の故リー・クアンユー氏の長男で、同国前首相のリー・シェンロン氏(72)は24日、与党・人民行動党トップの書記長を退任する意向を示した。主要紙ストレーツ・タイムズなどが同日、報じた。20年にわたり務めた首相を5月に退任し、1965年の独立以来、政権を握ってきた同党トップからも退くことで、世代交代を一段と進める。
リー氏は24日にあった党大会での演説で、「これが書記長として最後のスピーチとなる」と発言。同党の意思決定を行う中央執行委員会において、副書記長を務めるローレンス・ウォン首相(51)の「書記長選出を提案する」と話し、「これにより、後継者への権限委譲が完了する」とした。同時に、リー氏は引き続き、同委員会に残り、後継者をサポートする意向も示した。
25年11月までに実施される総選挙を前に、指導層の世代交代を強調する狙いがあるとみられる。ウォン首相はこの日の演説で「私が次の総選挙へと党を導く」と話した。