日本維新の会の新代表に吉村洋文・大阪府知事(49)が選ばれた。知名度の高い「本命候補」に党勢の立て直しが託された形だが、代表選の投票率は約42%で盛り上がりに欠けた。国政での存在感が低下する中、前執行部の多くが吉村氏とは距離を置く構えを示すなど、「内憂外患」の多難な船出となる。
1日の代表選で大勝した吉村氏は、直後の記者会見で「野党第1党を目指さない」と述べ、これまでの党方針を撤回する考えを示した。その上で、「公約の実現に近づく」として、参院も含めた自公の過半数割れを目標に掲げた。
その手法として、来夏の参院選1人区での野党候補の一本化を主張した。選挙戦では野党候補による「予備選」の実施を訴え、この日は「(与野党)1対1に持ち込むため公正なルールを作れるか、協議をしていきたい」と述べた。
代表選は6議席を失った10月の衆院選を受けて実施が決まった。吉村氏は、馬場伸幸前代表が掲げてきた「全国政党化」の路線は維持しつつ、国政選挙での大量擁立については「現在の(党の)体力から考えても違う」と否定した。
共同代表に前原氏意向 馬場体制幹部「一回やってみたらいい」
国会対応でも前体制とは一線を画す方針だ。馬場氏は過去に「第2自民党でいい」と述べるなど、与党寄りの言動を繰り返してきた。吉村氏は衆院選で与党が少数に転じたことを受け、対決姿勢を前面に打ち出す。
大阪府知事2期目の吉村氏は…