非常戒厳はオウンゴール 日韓関係にも懸念 元駐韓米国大使の見方

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聞き手・牧野愛博
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 韓国で「非常戒厳」を巡る混乱が続いています。7日夜には、韓国国会尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾(だんがい)決議を巡る採決が行われます。2018年から21年まで米国の駐韓国大使を務めたハリー・ハリス元米太平洋軍(現・インド太平洋軍)司令官は「米韓同盟に影響はない」と語る一方、日韓関係と日米韓協力への影響に懸念を示しました。

 ――「非常戒厳」のニュースを、どう受け止めましたか。

 とても驚き、戸惑いました。なぜ、尹大統領らがこんなことをしたのか、とショックを受けました。

 韓国では、1979年に(全斗煥(チョンドゥファン)元大統領が)軍事クーデターで権力を握った直後の80年に宣言して以降、戒厳令は出ていませんでした。当時の韓国の政治力学は、今日とは大きく異なります。

 今日の韓国は、自由民主主義の活気に満ちています。現在、一方の政党(保守系与党・国民の力)が大統領室(行政府)を、もう一方の政党(進歩系最大野党・共に民主党)が立法府を、それぞれ握っていることが、その好例です。文在寅(ムンジェイン)前大統領から尹大統領への権力移譲もスムーズに行われました。

 韓国は、非常にリベラルな民主主義国家、経済大国で、文化の世界的リーダーです。私が駐韓国大使だった時期、新型コロナウイルスの感染が拡大しましたが、韓国はパンデミックの真っ最中に、国政選挙を完璧に実施しました。私は韓国の民主主義に感心した記憶があります。

 それだけに、今回、尹大統領がとったこの奇妙な行動に当惑しました。

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 ――なぜ、このような事件が…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島
韓国「非常戒厳」

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