韓国・尹錫悦大統領の弾劾訴追案は不成立 与党退席、投票数満たさず
ソウル=太田成美 貝瀬秋彦
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する弾劾(だんがい)訴追案の採決が7日、国会の本会議で行われた。保守系与党・国民の力は党として反対の方針を決め、大半の議員が議場から退席。投票者数が規定に達せず不成立となり、弾劾案は廃案となった。「非常戒厳」を宣布した尹氏はいったん退陣を免れ、職務を継続するが、今後も厳しい政権運営が予想される。
弾劾案の採決は2016年の朴槿恵(パククネ)大統領以来、8年ぶり。野党6党が提出した弾劾案は「憲政秩序の中断を図り、永続的な権力の奪取を企てる内乱未遂を犯した」などとし、憲法違反だと指摘していた。
弾劾案の可決には国会の在籍議員300人のうち3分の2の賛成が必要で、野党、無所属の計192人に加え、与党から8人が造反して賛成することが必要だった。
だが、与党議員の大半が議場から退席し、投票者数は計195人で、成立に必要な200に届かなかった。投票した与党議員は3人にとどまり、うち1人は弾劾案に反対票を投じたと明らかにした。
議長は、与党の議員らに議場…