中国、積極財政で内需テコ入れへ 来年「超長期特別国債」の発行増
中国共産党と政府が来年の経済運営の方針を話し合う「中央経済工作会議」が11、12日に開かれた。中国国営中央テレビによると、「より積極的な財政政策」を実施するとともに、「超長期特別国債の発行を増やす」とも打ち出した。財政出動で景気を下支えする方針を明確にした。不動産不況で低迷する内需を喚起し、米トランプ次期政権との貿易摩擦にも備える。
中国政府は今年、1兆元(約21兆円)分の超長期特別国債を発行し、大規模な公共事業などの政策の財源に充ててきたが、2025年は発行額を増やすとした。11月には、今後5年間で10兆元(約210兆円)の地方債を追加発行する方針を示していたが、さらなる財政出動が必要と判断したもようだ。
25年の金融政策については、中央経済工作会議に先立つ9日に開いた党指導部メンバーによる中央政治局会議で、これまでの「穏健」(中立的)なスタンスから転換し、14年ぶりに「適度に緩和」する方針を示していた。
経済工作会議では新たに「タイムリーな金利の引き下げを実施し、豊富な流動性を維持する」との考え方を示した。金融と財政政策を組み合わせることで「精力的に消費を後押しし、投資の効率を向上させ、内需を拡大する」としている。