大化の改新の農具、奈良では昭和まで変わらず? 歴史学者が原点再訪

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今井邦彦
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 奈良県内で昭和中期まで使われた牛耕具「唐犂(からすき)」は、7世紀の「大化の改新」で導入され、約1300年間、そのままの形で使われたのではないか。そんな大胆な説を唱える歴史学者が今月上旬、同県大和郡山市の県立民俗博物館(県立民博)を訪れ、研究の原点になったコレクションと再会した。

 その歴史学者は大阪府東大阪市に住む河野(こうの)通明・神奈川大学名誉教授(86)。民俗資料として収集された近現代の農具から、古代の農業の姿を復元する研究に取り組んでいる。1981年から近畿各地の民俗博物館・資料館が収集している農具の研究を始め、次第にフィールドを全国に広げていった。

 県立民博が収蔵する県有形民俗文化財「奈良県の牛耕用具」の中には、県内から集めた60点の唐犂コレクションがある。

「よくぞ集めてくれた」

 河野さんは研究を始めた初期…

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この記事を書いた人
今井邦彦
専門記者|歴史・文化財
専門・関心分野
歴史、考古学、文化財、サブカルチャー