不明の船長、遺体で見つかる 青森・大間町沖のマグロ漁船転覆事故
青森県大間町沖の津軽海峡で19日、2人が乗ったマグロ漁船が転覆し、乗組員1人が死亡した事故で、青森海上保安部は21日、行方が分からなくなっていた船長の藤枝亮一さん(70)が見つかり、死亡が確認されたと発表した。
同部によると、藤枝さんは21日午前、大間町の北端からおよそ600メートル北にある弁天島の北側の海岸にうつぶせの状態で打ち上げられているのが見つかり、その場で死亡が確認されたという。
藤枝さんは、この事故で亡くなった乗組員の須藤愛教(よしのり)さん(55)とともにマグロ漁船「第28光明丸」(4.9トン)で太平洋沖に向けて出港。帰港予定時刻になっても戻らなかったため、大間漁業協同組合が19日夜、同部に連絡し、海上保安庁の巡視船や仲間の漁船などが捜索にあたっていた。漁を終えて港に戻る途中、何らかの原因で船が転覆したとみられる。
2人が乗っていた第28光明丸は21日午後、同県東通村の尻屋岬港に運ばれた。今後、同部が事故原因などを調査する。
藤枝さんは2019年1月、義弟の須藤さんとともに、東京・豊洲市場の初競りで3億3360万円の史上最高値をつけた278キロの本マグロを釣り上げていた。この金額は今も破られていない。
初競りにマグロを出したのはこのときが初めてだったといい、藤枝さんは当時、最高値をつけたとの連絡を受けたときは「こだわってきた一本釣りで初めて初競り用のマグロを捕り、夢を見ているようだった」と語っていた。