ナチス占領下の恐怖の記憶、そして現代 映画「占領都市」の監督語る
オランダの首都アムステルダムは第2次世界大戦中の1940年5月から5年間、ナチス・ドイツの占領下に置かれた。27日に公開される映画「占領都市」(英・米・オランダ)は、現代のアムステルダムの映像に、過去の惨劇を説明するナレーションを重ねる。スティーブ・マックイーン監督はオンライン取材で、世界各地で続く戦争を念頭に、「八十数年前の悲劇が現代でも再び起きている」と警鐘を鳴らした。
映画はアムステルダムにあるアパートや女子校、病院、教会など約130カ所を4時間以上映し出す。連行されるなどしたユダヤ人の自宅や、ユダヤ人やレジスタンスを取り調べて拷問する場所だったところだ。教会の鐘を映し出したシーンでは、金属不足のために市内の約9千個の鐘のうち約7千個が供出され、市民が「鐘がなくなれば、戦争が終わる」と語り合ったという説明が加わる。
ナチス占領下のアムステルダムでは、「アンネの日記」で有名なアンネ・フランクら10万7千人のユダヤ人が強制収容所に移送され、うち10万2千人が虐殺されたと言われる。アンネら約1万2千人が様々な場所に隠れたとされ、映画では、隠れたユダヤ人が支援者に迷惑をかけずに生き延びるための「10の戒律」も紹介される。
■「アンネ・フランクの家」を…
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