第4回佐々木彩夏さん「ももクロでは見られない光景」 JA浪江への思い

有料記事東北 dreams come true

聞き手・酒本友紀子
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 8人組アイドルグループ「浪江女子発組合」(略称・JA浪江)が誕生して5周年を迎えた。東日本大震災で津波や原発事故により甚大な被害を受けた福島県浪江町を応援するため結成。町内で「定期大会」と称するライブを重ね、「組合員」と呼ばれるファンを着実に増やし、2024年には町から「ふるさと応援大使」に任命された。メンバー兼総合プロデューサーとして率いる「ももいろクローバーZ」(ももクロ)の佐々木彩夏さん(28)に、グループのこれまで、そしてこれからを聞いた。

夢をかなえた、夢に向かう、夢を与える……。そんな東北にゆかりある人たちの活躍を、ロングインタビューでお届けします。

町役場と話し合いながら練ったコンセプト

 ――JA浪江が結成された経緯を教えてください。

 「ももクロは、地域活性化のため自治体の皆さんと協力して『春の一大事』というライブを毎年開いています。浪江町、楢葉町、広野町と合同での開催が決まったことが浪江町の皆さんとの最初の接点です(当初は2020年に予定されていたが、コロナ禍で延期され22年に開催)。浪江町役場の方から『町ににぎわいを取り戻すため力を貸してほしい』というお手紙をいただきました」

 「ももクロよりも、私個人や事務所の後輩たちの方がフットワーク軽く動けるんじゃないかと考え、19年11月に後輩たちとJA浪江を結成しました。町でのフリーライブや町の情報の発信を通して、復興について考えてもらうきっかけになれるグループを目指しました」

――プロデュースするうえで心がけたことは。

 「町役場の方とは、どういう衣装や楽曲だったら町の皆さんに受け入れていただけるかを話し合いました。町出身のメンバーはいないので、少しでも町の要素を採り入れたいなということで、町の花であるコスモスを衣装に落とし込んだり、相馬野馬追(そうまのまおい)や(震災前から町中心部で開かれている)十日市祭などの伝統行事を楽曲のモチーフにしたり」

 「アイドルになじみがない町民の方も多いので、ミニスカートやアップテンポな曲だとびっくりされるかもという話もしながら、グループのコンセプトを作り上げました」

「その時の皆さんの気持ちを想像しながら歌っている」

 ――楽曲の歌詞やミュージックビデオには、浪江町のことが多く登場します。思い入れのある曲はありますか。

 「あえて1曲を挙げるとすれ…

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