第2回ただの料理好きと思われたくない 速水もこみちさんが紡ぐ食の物語

有料記事一皿から見える世界

聞き手・田中瞳子
[PR]

 スーパーでふと手にした野菜や肉、果物は誰が作り、どのように私たちの手元に届くのか――。日々意識している人は少ないかもしれません。テレビ番組やYouTubeを通して多彩な料理を手際よく作る姿が知られる俳優・速水もこみちさんは食材の生産地や市場も積極的に訪ねてきたといいます。食材の背景を知る大切さや、食への思いを語ってもらいました。

 僕は毎日、食のことで頭がいっぱいなんです。朝起きた時から「今日は何食べよう」って考えてる。いまはこれがおいしいだろうから食べたいなとか、市場を見に行きたいな、とか。

 料理に目覚めたのは、小学生のときです。テレビ番組「料理の鉄人」を見て、かっこいいなと憧れました。レシピもないなか独学でカルボナーラを作り、「どうしたらおいしく作れるか」を夏休みの自由研究で提出したんですよ。はじめは全然おいしくできなかった。パスタを牛乳といっしょにゆでて膜が張ってしまったこともありました。でも、失敗が悔しくて何度も挑戦するうちに牛乳を入れるタイミングもわかってくるし、料理を作りながら調理器具や食材を片付けられるようにもなっていきました。体がリズムを覚えていくんですよね。達成感がうれしくて、のめり込みました。

 作るためにはスーパーや市場によく行きますし、生産者を訪ねることもあります。そういうことの積み重ねで、食材の背景に自然と興味がわいていきました。

 小さい頃から料理を作り、食…

この記事は有料記事です。残り1629文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

連載一皿から見える世界(全12回)

この連載の一覧を見る