フォークリフト全国大会、一般の部で女性初V 普段はビールを運搬
岡山市の佐藤修子さん(52)は、9月に愛知県で開かれた第39回全国フォークリフト運転競技大会の一般の部で優勝を果たした。一般の部で女性が優勝したのは大会史上、初めてのことだ。
岡山市東区にある日本通運岡山支店キリンビール事業所で勤務。事業所はキリンビール岡山工場の敷地内にあり、普段は6トンのフォークリフトを運転し、製造されたビールを倉庫内に運ぶ仕事などをしている。安全かつ正確に運搬する技術が必要だ。
大会は一般の部と女性の部の二つの部門があり、昨年の前回大会には女性の部に出場して優勝。今大会は男女共通の一般の部で挑んだ。一般の部は、地方大会で優秀な成績を修めるなどした47人が出場した。
法令などの知識を問う「学科」、車両の異状箇所をチェックする「点検」、技能を競う「運転」の3種目の総合得点で競われる。大会前は、関係法令が書かれたテキストを持ち歩き、休憩時間に勉強。運転操作のイメージトレーニングも欠かさなかった。「やるだけのことはやった」。そう思えるほど準備して臨んだ大会だった。
結果は、学科は300点中、最高得点の288点。点検は100点満点、運転も600点満点。計988点で優勝を成し遂げた。
高校卒業後、トラック運転手やビル清掃など様々な仕事を経て、2021年から現在の職場に。子どものころから街で見かけた「働くクルマ」に興味を持ち、「いつか運転してみたい」との思いを強く持っていたという。
「人間の力だけでは運べない量の荷物を次々に運んでいく」。仕事にそんな魅力を感じている。
事業所の従業員は約90人。指導者的な立場も求められている。「周りの人に支えられながら、精度の高い練習ができたおかげで優勝することができた。経験を次の人たちにつないでいきたい」
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〈全国フォークリフト運転競技大会〉 全国の運送業者などからなる「陸上貨物運送事業労働災害防止協会」が主催。安全意識や運転知識、技能の向上を図り、安全な作業や労働災害の防止につなげることを目的に実施。「学科」(300点)、「点検」(100点)、「運転」(600点)の計1千点満点で競う。
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