「叫ぶ」怒濤の16分音符、悪夢はやりがいに変わる この戦略で夏へ

有料記事ユーカリの樹の下で

河原田慎一
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 2025年1月5日、スピーカーから流れる「エルフゲンの叫び」の怒濤(どとう)のパッセージが、兵庫高校の音楽室に響きわたった。

 息をのむ吹奏楽部員たち。顧問の亀田祐樹さん(37)はこの曲が、今年の吹奏楽コンクールで演奏する自由曲の候補だと告げた。

 クラリネットやユーフォニアムの楽譜は、ページのほとんどが16分音符で埋め尽くされている。天を仰ぎ、「うーん」とうなる部員たちに、亀田さんが発破をかけた。

 「合奏は1週間後。よろしく、がんばりましょう!」

連載 ユーカリの樹の下で

校庭に立つユーカリの下での演奏から始まった兵庫高校のブラスバンド。「名門復活」なるか。

 部では昨秋から、自由曲の候補として別の曲に取り組んできた。シンフォニエッタ第3番「響きの森」。木管の速い動きが続く難曲だが、約1カ月で何とか形にできた。

 そんな中、さらに挑むことになった「エルフゲン」もまた、ユーフォニアムやファゴットなど中低音に素早い動きが続く難曲。部長でユーフォニアムの鴨川美奈さん(2年)は「悪夢のよう」と、苦笑いを浮かべた。

「引退」その時まで…

 新年最初の練習で「劇薬」を投じた亀田さんには、夏に始まるコンクールへ向けた戦略がある。

 形になった「響きの森」を一…

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