終末時計、1秒進み「残り89秒」 地球滅亡まで「最も危険な瞬間」

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ワシントン=合田禄
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 米国の科学者らは28日、地球滅亡まで残された時間を示す「終末時計」の時刻を公表した。昨年から1秒進んで89秒とし、公表を始めた1947年以降、残り時間が最も短い状況となった。核使用のリスクが増え、温室効果ガスの排出量が増加し続けているのに対し、解決策に十分な前進がないことから判断した。

 終末時計は米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」(「原子力科学者会報」の意味)が毎年発表している。地球滅亡の時を深夜0時に見立て、核戦争などの危機が高まると時計の針を進め、遠のくと戻す。

 同誌は時刻公表の記者会見で、日本原水爆被害者団体協議会日本被団協)が2024年にノーベル平和賞を受賞したことに言及しながら、「世界は核兵器の使用に対して強い忌避感をもち続けてきたが、その忌避感が弱まり始めている兆候がある」と説明した。

 今年の記者会見には、コロン…

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この記事を書いた人
合田禄
アメリカ総局|科学・米国政治担当
専門・関心分野
科学、医療、気候変動、宇宙開発