京アニ事件きょう初公判、責任能力が争点 被害者の一部は匿名に

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光墨祥吾 森下裕介
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 2019年7月、京都アニメーションの第1スタジオ(京都市伏見区)が放火され36人が亡くなった事件で、殺人や殺人未遂、現住建造物等放火などの罪で起訴された青葉真司被告(45)の裁判員裁判が5日、京都地裁で始まる。刑事責任能力の有無や程度が争点で、裁判は143日間に及ぶ。殺人事件として戦後最悪とみられる犠牲者を出した事件から4年。動機や経緯について被告が何を語るか注目される。

 事件は19年7月18日午前10時半ごろに発生。起訴状などによると、被告は3階建ての第1スタジオに侵入し、1階にガソリンをまいて放火。アニメを制作していた社員ら36人が死亡し、32人が重軽傷を負ったとされる。

 京都地検は20年6月から、被告の事件当時の精神状態を調べる鑑定留置を実施。その結果、刑事責任を問えるとみて同12月に起訴した。裁判では検察側は被告に完全責任能力があったと訴え、弁護側は責任能力のない心神喪失か、著しく減退した心神耗弱だったと反論するとみられる。

 被告も重いやけどを負ったが、治療で会話ができるまでに回復。被告人質問は計約10回の期日にわたる予定で、遺族が直接質問する機会もある。逮捕時は容疑を認め、「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」と供述。任意の事情聴取では「小説を盗まれたのでやった」との趣旨の発言をしたとされる。

 証人として精神鑑定をした医師や京都アニメーションの八田英明社長らが出廷する。11月には責任能力に絞って検察側、弁護側の双方が意見を述べる中間論告・弁論があり、判決は来年1月25日に言い渡される予定だ。

被害者の匿名化、識者ら「十分検討を」

 京アニ事件の裁判は、被害者の一部を匿名にして審理される見通しだ。刑事訴訟法に基づく措置で、遺族の希望を受けて京都地裁が決めた。ただ、憲法は裁判を「原則公開」としており、匿名審理の適用は慎重にすべきだとの指摘もある。

 匿名審理は性犯罪事件などを…

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