不法残留29人を受け入れたマンション 摘発で浮上した町の実情とは
太平洋に臨む茨城県大洗町。水産加工場や畑が点在する住宅街に、焦げ茶色のひときわ大きなマンションがある。築30年超で鉄筋コンクリート造りの7階建て。インドネシア人29人が不法残留していたとして、警視庁などに一斉摘発を受けたマンションだ。
10日には、警視庁がマンションの所有者の男性(75)=茨城県常陸大宮市=ら2人を出入国管理法違反(不法残留)の幇助(ほうじょ)の疑いで書類送検した。送検容疑は2018年8月から今年7月、茨城県大洗町の自身が所有するマンションに不法残留のインドネシア人を住まわせたというものだった。
家賃収入で2千万円超
男性は「空き室対策のために、オーバーステイと知りながら住まわせていた」と供述しているといい、警視庁は、これまでに2100万円以上の家賃収入を得ていたとみる。住人のインドネシア人については、警視庁と出入国在留管理局が7月、出入国管理法違反容疑で一斉摘発していた。
捜査関係者によると、摘発されたインドネシア人は短期滞在などの資格で入国し、「大洗に行けば働くところも住む場所もあると言われた」などと供述したという。
日本人は3世帯だけ
記者がマンションを訪ねると、住人の日本人の60代男性は「日本人で住んでいるのは私を含めて3世帯だけ。あとの30部屋以上は東南アジア系の外国人」と語った。約20年前から近くで暮らす40代の男性は「当初は日本人がたくさんいた。5年ほど前から外国人の方が多くなり、朝早くに白いかっぽう着を着て出かけている」と言う。
住人でインドネシア出身の2…