混戦の東京1区、衆院選に8人が立候補 街頭で政治改革をアピール
衆院選が15日に公示され、候補者はさっそく街頭に立ち、有権者に支持を呼びかけた。「政治とカネ」をめぐる問題や政党間の連携のひずみが反映され、選挙の枠組みにも変化が生じるなか、12日間の選挙戦が始まった。
首都の中心部を抱える東京1区(東京都千代田区、新宿区)には主要政党が候補者を擁立し、混戦となる見通しだ。
自民党前職の山田美樹氏(50)は新宿区の事務所前で第一声に臨んだ。過去4回はいずれも接戦だったが、裏金問題を受けて今回は比例区での重複立候補が認められず、選挙区はいっそう負けられない戦いになった。派閥の裏金問題をふまえ、「身を正し、政治不信は起こさない覚悟」「自民党の改革の先頭に立つ」などと訴えた。
対する立憲民主党は裏金問題を追及し、自民党への批判票を取り込みたい考えだ。東京1区を地盤とする前職の海江田万里氏(75)は衆院議員を8期務めたベテランだが、前回衆院選は選挙区で山田氏に敗れていた。雪辱を期す今回は「首相が変わっても、自民党には問題を解決する気がない。政治を変えるには政権交代が必要だ」と攻勢を強める。
日本維新の会は前回に続いて候補者を擁立。政調会長の音喜多駿氏(41)が参院議員からくら替えして立候補する力の入れようで、党の地盤の関西だけでなく、東京での足場を固めたい考えだ。音喜多氏はJR高田馬場駅前(新宿区)での第一声で改革姿勢をアピールし、「現役世代を苦しめてきた先送りの政治を打破したい」と訴えた。
共産党は過去2回、野党共闘を優先して東京1区での候補者擁立を控えてきたが、共産との連立政権に否定的な野田佳彦氏が立憲の代表に就いたことで「共闘の基盤が失われた」(党都委員会幹部)と態度を硬化。立候補した新顔の中野顕氏(60)も高田馬場駅前でマイクを握り、「自公では裏金問題にけじめをつけられない。国民の力で変わる政治を実現しよう」と呼びかけた。
参政党は新顔の桜井祥子氏(40)を擁立し、減税と積極財政による景気回復を訴える。ほかに15日朝の時点で、いずれも新顔の新藤伸夫氏(75)、新垣宏氏(80)、佐藤沙織里氏(35)が立候補を届け出た。