「戦果」誇るイスラエル レバノン停戦合意 無視できなくなった懸念
イスラエルが、隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの停戦案に合意した。パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルは、「ガザへの連帯」を掲げるヒズボラに強硬姿勢をとり続けてきた。攻撃の応酬が始まって1年あまり。戦闘が長期化するなかで、合意に応じたのはなぜか。
「ヒズボラはもう以前と同じではない。我々は、数十年分彼らを後退させた」
ネタニヤフ首相は26日夜、停戦案を承認する閣議に先立ち、国民向けのテレビ演説で、「戦果」をこう誇ったうえで、停戦案に合意する意向を表明した。
演説で、ネタニヤフ氏は、長年ヒズボラの最高指導者だったナスララ師を殺害▽ヒズボラのミサイルの多くを破壊したなどと例を挙げながら、軍や情報機関の「功績だ」と軍事的な成果をアピールした。
そのうえで、地域の軍事大国で、ヒズボラやガザのハマスなどを支援する「敵国」イランの脅威に備え、ハマスを孤立させるためにも、軍の態勢を整える必要がある、とした。
強くなっていた「圧力」
ヒズボラは、ハマスが昨年10月にイスラエルへの奇襲攻撃を始めた直後に、イスラエルに攻撃を開始。双方が国境付近で攻撃の応酬を繰り返した後、イスラエルは今年9月中旬にヒズボラのメンバーらが携帯するポケットベル型などの通信機器を一斉に爆破。ヒズボラが拠点とするレバノン南部への空爆を強化し、10月には地上侵攻に踏み切った。
国際社会の強い懸念をよそに…
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