半世紀前の覚書に効力は? 沼津市のごみ処理施設めぐり行政vs住民

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南島信也
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 静岡県沼津市と清水町は4日、新たなごみ中間処理施設をめぐる協定を締結した。現在の施設が老朽化し、耐震性に問題があることから、新たに施設を整備することになったが、計画が進まなかった背景には、半世紀前に交わされた「覚書」の存在があった。

 この日、市役所で調印式があり、頼重秀一市長と関義弘町長が協定書に調印した。

 「町長は地域住民と懇切丁寧に協議を重ねていただいた」と頼重市長が謝意を示すと、関町長も「より安定的に可燃ごみの処理ができるようになる。町の窮状をご理解いただいた」と応じた。

現在の施設は「国内最古?」

 新しい施設は約2万5千平メートルの敷地に、1日210トンを焼却できる焼却施設と、粗大ごみや資源ごみなどを1日23トン処理できるリサイクル施設を建設する。

 来年1月に入札で施工業者を決め、2026年度に着工し、30年1月に稼働する計画だ。

 沼津市が資金を調達し、設計と建設、維持管理まで一括発注する公設民営方式を採用している。建設費と30年1月から50年3月までの運営管理費を合わせると500億1920万円になる。この日に結ばれた協定では、沼津市と清水町の負担割合は、建設費の2割を均等割にし、人口割4割、実績割4割となっている。

 現在のごみ処理施設は沼津市と清水町の境界近くにあり、1976年に稼働した。「国内最古といっても過言ではない」(頼重市長)ほど古く、沼津市にとって新たな施設の建設が急務だった。

 自前の施設を持たない清水町にとっても、安定的にごみを処理できる仕組みが重要だった。

 それでも、新たな施設の建設が進まなかった背景には、74年に当時の沼津市長が清水町外原地区の代表との間で交わした「覚書」の存在があった。

住民と覚書「増・新設しない」

 沼津市が現在の施設を建設す…

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