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私のまちで保育園に入れる…? なかなか理解しづらい待機児童をグラフで「見える化」しました。
すべての市区町村は毎年4月時点の待機児童数を調べて、その結果を厚生労働省がまとめて9月に発表しています。朝日新聞は、148市区町村について集計し、グラフで「見える化」してみました。20政令指定市と県庁所在地、東京23区に加え、2018年に待機児童が50人以上(16・17年は100人以上)だった市町村を選んでいます。
厚生労働省のまとめによると、2018年の待機児童数は前年比では4年ぶりに減少に転じたものの、全国でなお計2万人近くいました。昨春まで待機児童数が5年連続最多だった東京都世田谷区は4割超減って3位となった一方で、今春、最多となったのは兵庫県明石市。来年10月から始まる国の幼保無償化に先駆けて独自に保育料を無償化したことで入園希望者が膨らみ、待機児童が倍増しました。
ただ、このほかに、認可保育園に落ちても、待機児童として数えられない「隠れ待機児童」が、全国で計約7万1千人いることが今回の朝日新聞の分析で分かりました。市区町村が補助する認可外保育施設に通ったり、特定の園を希望していたりするなどとされて、自治体の判断で待機児童から除かれている人数です。上のグラフを見ると、認可保育園に申し込んで落ちた子どもが元々どれくらいいて、どのような理由で何人が待機児童から除かれたのか、市区町村ごとに内訳が分かります。
例えば横浜市では、元々3080人が認可保育園に落ちており、全国最多でした(待機児童数は63人と発表)。次ぐ川崎市は2868人(同18人)。大阪市では、2144人(同65人)が落選していました。
日本総研の池本美香・主任研究員
定員拡大を急ぐあまり、従来の規制を緩和する「詰め込み保育」などが進み、保育の質の低下も指摘されています。どうすれば、子どもたちの環境を守りながら、施設整備を進められるのでしょうか。[続きを読む]
「保育園を考える親の会」の普光院亜紀代表
このまま待機児童が減り、過酷な保活競争はなくなっていくのでしょうか。そもそも、なぜ待機児童問題が20年以上も解決されずにいるのでしょうか。「保育園を考える親の会」の普光院亜紀代表に聞きました。[続きを読む]
保坂展人・世田谷区長
2017年まで5年連続、待機児童数が全国最多だった世田谷区は、2018年春、前年より375人減の486人となり、「ワースト」を脱して話題になりました。保坂展人区長は胸をなで下ろしていると思いきや…[続きを読む]
少子化が進んでいるのに、保育所のニーズが高まっています。バブル経済が崩壊した1990年代初め、共働き世帯が専業主婦世帯を上回りました。保育所を必要とする親が増え、待機児童問題が顕在化したのです。
出生数
保育所の定員
保育所の利用児童数
国は2001年、待機児童の定義を変えました。自治体が独自に助成する「認可外保育施設」を利用しながら待機している児童らは、待機児童から除いてよいことにしました。認可保育園と比べて安全基準は緩いが、厚労省は「自治体が独自の基準を定めて適切な保育をしているため」と説明しています。定義が変わった01年、旧定義でみれば3万5144人(4月1日時点)だった待機児童数は、新定義で2万1201人に「減少」しました。
1995年 | 96 | 97 | 98 | 99 | 00 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
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【用語解説】
(1)認可保育所 | 施設の広さや保育士の人数などが国の基準を満たしているとして自治体に認可された保育所。定員20人以上で5歳児までが対象。 |
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(2)小規模保育 | 国の基準を満たし、定員6~19人で2歳児までを対象とした施設。 |
(3)認定こども園 | 国の基準を満たし、幼稚園と保育園の機能を併せ持った施設。 |
(4)認可外保育施設 | 自治体に認可されていない施設。ただし、東京都の認証保育所など一定の基準を満たしているとして自治体の補助を受けているところもある。 |
(5)企業主導型保育所 | 企業が社内などに主に従業員向けにつくる認可外施設。原則全員が保育士の認可保育所に比べ、有資格者は半数でよいなど設置基準が緩い。 |
マップからは全国の市区町村の待機児童数がわかります(各年とも4月1日時点)。都道府県別の待機児童数や保育所定員なども示しました。都市部を中心とした100都市については詳しいデータがあります。うち、「入園決定率」はその年に新たに入園を申請して入れた割合で、高いほど認可保育所に入りやすいことを示します。「保育料」も比較できます。
もっと詳しく待機児童の全国マップの詳しい見方と注意点
※入園決定率と保育料は「保育園を考える親の会」調べ
自治体が発表した4月1日時点の待機児童数
自治体が発表した認可保育所の数
自治体が発表した認可保育所を利用している子どもの数
入園決定率は、その年に新たに入園を申請して、入れた割合のこと。「新規に入園した入所児童数」÷「新規に入園を申請した申請児童数」。保育園を考える親の会調べ。認可保育所の希望者にとって、入園の難易度を示す。
所得が中間的と考えられる世帯の保育料。保育園を考える親の会調べ。
小泉純一郎首相(当時)が待機児童の「ゼロ作戦」をはじめて打ち出したのは2001年。以降、さまざまな施策も大きな効果はなく、リーマン・ショック後には首都圏で待機児童数が急増。2018年には4年ぶりに減少に転じたものの、地方都市でも、待機児童が問題になっているところが少なくない。
取材:大井田ひろみ、笹円香、田渕紫織、中井なつみ 取材協力:「保育園を考える親の会」
制作:加藤啓太郎、上村伸也、小林由憲、白井政行、中西鏡子
「小1の壁」問題に詳しいNPO法人「放課後NPOアフタースクール」の平岩国泰代表理事に聞いた。 保護者が朝早く出勤する家庭は以前から一定数あった。だが、近年は核家族化が進み、共働きも浸透したことで朝の… …[続きを読む]
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