ベルギーに出張中、現地で働く同僚が
「休日に時間があったら、
ぜひゲント(ヘント)へ行って
《神秘の子羊》の祭壇画を見て!
長年の修復が終わって公開されているの。
とっても素晴らしいわよ」
と勧めてくれました。
インターネット予約用のHPアドレスを
わざわざ私のメルアドに送ってくれるほど
熱心に勧めてくれたので、
行かないてはありません。
そして、ある日曜日
ベルギー国鉄のゲント(ヘント)駅に到着。
駅からはトラムに乗って、旧市街の中心部へ向かいます。
《神秘の子羊》がある聖バーフ大聖堂が見えてきました。
中央の巨大な塔が特徴的な聖バーフ大聖堂。
中に入ると、壮麗な空間が広がっていました。
この大聖堂は、ゲント(ヘント)教区で最も古い教会で、
その始まりは10世紀にまで遡るとか。
現在の建物は、13世紀から16世紀にかけて
再建されたもので、ゴシック様式の装飾が見られます。
こちらは、主祭壇
中央を拡大してみると、
金色の光が降り注ぐドラマチックな彫刻
説教台も彫刻が素晴らしい
一方、ステンドグラスはモダンでした。
近付いてみると、サインがありました。
2018年に作られたステンドグラスのようです。
奉納者や、作者の名前もありますね。
こちらのステンドグラスも幾何学的で
中間色が斬新でした
大聖堂内を見学していたら、予約の時間になりました。
ここまでは、入場無料でしたが、
《神秘の子羊》を見るのは有料です。
予約なしでも当日券を購入できますが
すごい行列だったので、予約して行った方がベターです。
スマホのチケットを提示して中に入ると、
まず、大聖堂の最も古い部分が残る地下を
見学するようになっているのですが、
ゴーグルを着けてVRを駆使した解説になっていて
すごいハイテクに驚きました。
大聖堂の歴史を学んだところで、
主祭壇の背後にある礼拝堂に向かいます
礼拝堂には、それぞれ立派で装飾的な門があって、
美しさと荘厳さに圧倒されました。
礼拝堂の一つに、目的の《神秘の子羊》が安置されていました
こちらが、その祭壇画です。
ファン・エイク兄弟によって1432年に完成。
『ゲント祭壇画』とも呼ばれていて、
12枚の絵で構成されていますが、
その中の1枚は、未だに行方不明で
レプリカなんだそうです。
下段中央のパネルに《神秘の子羊》が。
赤い台に乗せられた子羊の胸からは血が流れ出しています。
子羊が生贄にされる儀式の一場面が描かれているのですが、
子羊はキリストを表しているそうです。
さすがに修復を終えただけあって、
600年近くも前の絵画とは思えない程
細部の表現もくっきりしていて美しい絵画でした。
とっても貴重な歴史的絵画なのに、
ケースのガラス越しではありますが、
写真撮影OKという寛大さにも感心しました。
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