次の衆院選で注目の激戦区が「うどん県」にある。香川1区は、菅政権の看板政策「デジタル庁」を担う閣僚と、映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」の主役となった立憲民主党議員が激突。あつあつな戦いを繰り広げている。
菅政権の目玉「デジタル庁」、背負った平井氏
うどんの生産と消費で全国一の香川県。県庁所在地の高松市は、商店街のアーケードの長さという「日本一」も持つ。その商店街で7月上旬の夕刻、一風変わった光景が広がった。
「ご通行中の皆さん。皆さんの様子を見ながら、大臣室から街頭演説をさせていただいております」
声の主は、自民党の平井卓也デジタル改革相(63)だ。ただ、声はすれども本人はいない。
商店街にモニターを置き、ネット中継で東京の大臣室とつないで、画面越しに通行人に手を振る。
「9月に発足するデジタル庁はどういった組織になるんですか」。双方向性で商店街から質問も受けた。
「リモート街頭演説」と銘打った。デジタル改革相ならではの演出を自ら編み出した。
大臣室の背景には、デジタル庁準備室が掲げたスローガンが映り込んでいる。
「ガバメント・アズ・ア・スタートアップ(Government as a Startup)」
頭文字を並べると、GaaS。菅義偉首相のネット上の愛称と同じ「ガースー」だ。
「政府として(新たに事業を…
- 【視点】
ドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』(大島新監督・2020年)では、2017年の総選挙の様子も描かれていました。私が印象深かったのは地元紙の報道が映る場面でした。四国新聞は平井卓也氏の弟が社長を務めていて社主は母親。つまり
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