第3回停戦しても危機は去らない プーチン氏を駆り立てる「恐怖」とは

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 プーチン大統領はなぜ、ウクライナ侵略に踏み切ったのか。4月末にプーチン氏自身が語った言葉に、端的な本音が表れている。

 「(ソ連崩壊時に)ロシアがウクライナ独立を好意的に受け入れたとき、それが友好的な国家だということが、当然の前提だった」

 「ロシアの歴史的な領土が『反ロシア』になることは許されない」

【連載】世界はどこへ向かうか ウクライナ侵攻後を読み解く

世界を揺るがせたロシアのウクライナ侵攻。大国の暴挙はこれからの世界をどこへ向かわせるのか。冷戦後の国際秩序、グローバル経済、核なき世界の理念――。各分野の専門記者が「侵攻後」を読み解きます。連載第3回は、元モスクワ支局長の駒木明義論説委員がロシアのプーチン大統領の思惑に迫ります。

 ウクライナは自国領も同然であり、政権を認めるかどうかはロシアが決める、という理屈だ。

 プーチン氏が「お手本」だと考えるのが、西の隣国ベラルーシだ。4月にはルカシェンコ大統領の目前で、こう言い放った。

 「私たちは、どこまでがベラルーシで、どこがロシアかということを、特に区別して考えてはいない」「ウクライナ、ベラルーシ、ロシアは三位一体だ」

 周辺国の主権や領土を認めずに属国扱いする世界観は、帝国主義やソ連の再来を思わせる時代錯誤だ。

プーチン氏の大きな誤算

 ただし、こうした考えはプー…

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この記事を書いた人
駒木明義
論説委員|国際社説担当
専門・関心分野
ロシア、国際関係、外交
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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2022年6月6日19時10分 投稿
    【視点】

    NATOが東方に拡大しなければ、プーチン大統領は戦争を始めなかったでしょうか。そうでないないだろう、という分析を書いてみました。 「自立したウクライナ」「自分で意思決定するウクライナ」という存在そのものが、プーチン氏には我慢できないのだと

    …続きを読む
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