プーチン氏は核を本当に使うのか テーブルにある選択肢とは
ウクライナへ侵攻しているロシアのプーチン大統領は、これまで核使用の可能性を示唆しています。戦況では苦境に立っていますが、使う可能性が高まっているのでしょうか。使うとすれば、どんなシナリオが考えられるのでしょうか。防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄さん(安全保障論、核戦略)に聞きました。
――プーチン氏は予備役兵動員を宣言した9月21日、「我が国の領土保全が脅かされた場合、ロシアと国民を守るために使用可能なすべての兵器システムを必ず使う」と演説しました。核使用のリスクは、どのくらい高まっていますか。
ロシアで核兵器を使用するかしないかを決めるのはプーチン氏です。そのプーチン氏の前に、戦略オプションが置かれたテーブルがあるとすれば、核は今、間違いなく真ん中近くに来ているでしょう。状況的には、ウクライナ侵攻が始まって以来、一番危険な状況です。
ただ、実際に手を伸ばして核の選択肢を取るかはプーチン氏の最終的な判断です。何%と推測することはできません。
――核がテーブルの真ん中に近づいてくるというのは、どんな状況のときでしょうか。
核兵器を使えば戦争に勝てる状況か、使わなければ負ける状況のいずれかです。今の戦況は後者に近い状況です。ただ、(「すべての兵器システムを必ず使う」という発言は)動員令と同時に言及していますので、現段階では核はファーストオプションではない。まず動員によって通常戦力を再建し、それが失敗したらということでしょう。
――使用が懸念されているのは、射程の短い「戦術核」でしょうか。そもそも、戦術核と戦略核との違いは何ですか。
米ロの戦略兵器削減条約(S…
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