稼働率96% 医ケア児も小児がんも 日本初のこどもホスピス10年
日本で初めて「こどもホスピス」を開設した淀川キリスト教病院(大阪市)が10年を記念し、シンポジウムを開いた。医療的ケアが必要な子どもの一時預かりサービスが増えている実態を報告。小児がん患者の終末期ケアと両立させる難しさや、他施設との連携を増やす必要性などが語られた。
こどもホスピスは2012年11月1日、病院の新築移転に合わせ、分院だった建物を利用して成人ホスピスと併設する形で開設された。07年、発祥である英国の施設を当時の天皇、皇后両陛下(上皇ご夫妻)が訪れ、美智子さまの友人の喜谷昌代さんと、創設者シスター・フランシスが09年に同病院を訪問したことをきっかけに準備が始まった。
10月27日にオンラインで開かれたシンポでは「子どもと家族が楽しく過ごせる第二の家」を目指してきたと紹介。昨年度、14床の稼働率は約96%で、利用者は延べ約5千人。多くは人工呼吸器や胃ろうを使う重度心身障害児らの医療型短期入所だ。たんの吸引などの医療的ケアを行いながら、楽器演奏や本の読み聞かせなどの楽しみも提供してきた。
家族にとっては安心して預けられ、一時休息(レスパイト)になる大事な場所だ。親の新型コロナウイルス感染や体調不良時の「緊急入所」にも適宜対応する。
一方、終末期の対応は10年で23例で、半分以上が脳腫瘍(しゅよう)。思い出を語り合う遺族の会も年1回開いてきた。
課題として医療型短期入所は…
- 【視点】
生命を脅かす病気とともにある子どもは、日本に約2万人いるそうです。 そんな子どもたちが子どもらしい日常の幸せを少しでも多く感じながら暮らせるようになって欲しいと強く願います。 横浜こどもホスピスプロジェクトのホームページを拝見し、
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