食物アレルギー、発症の1割でショック症状 増える子ども、死亡例も

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貞国聖子
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 食物アレルギーは、乳幼児から大人まで幅広い世代でみられるアレルギー症状の一つ。大人をふくめた全体の人数は把握されていないが、文部科学省がこれまで実施した2度の大規模調査では、食物アレルギーがある小中高校生は2004年は全体の2・6%(約32万9千人)だったのが、13年は4・5%(約40万8千人)に増えた。文科省は今年、再び同様の調査を実施しており、結果がまとまり次第、公表する。

 本来は有益な反応である「免疫」が、アレルギーの原因物質(アレルゲン)に反応して自分の体を傷つけてしまうことで、アレルギー反応が発症する。

 主な症状は、目やのどのかゆみ、腫れといった「粘膜の症状」、せき、ぜえぜえした呼吸といった「呼吸器の症状」、かゆみ、じんましんといった「皮膚の症状」、下痢、嘔吐(おうと)といった「消化器の症状」。

命にかかわるアナフィラキシーショック

 複数の症状が同時かつ急激に現れる全身性のアレルギー反応を「アナフィラキシー」と言う。さらに血圧が下がり、意識がもうろうとするような場合はアナフィラキシーショックで、すぐに対応しないと命にかかわる。

 ショック状態にある人の救命率は、アドレナリンをいかに早く投与できるかどうかで大きく変わる。屋外で発症するケースが多く、すぐ医療機関にかかれないため、アドレナリンの自己注射「エピペン」を打つのが有効だ。

 消費者庁の2020年の調査…

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この記事を書いた人
貞国聖子
東京社会部次長|国交省、宮内庁担当
専門・関心分野
災害、事件事故、戦争と平和