文科省による図書館介入に見た「無邪気さの罪」 作家・門井慶喜さん

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聞き手・高重治香
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 「拉致問題に関する図書等の充実を」。文部科学省が全国の公立・学校図書館向けに出した依頼文に、公益社団法人・日本図書館協会は「図書館の自由を脅かす」などと抗議しました。図書館廃館と闘う司書が登場する「おさがしの本は」を書いた作家・門井慶喜さんは、この問題に「無邪気さの罪を見た」と語ります。

 ――門井さんは図書館をよく利用するのですか。

 「歴史小説を書くたびに、登場人物の出身地にある公共図書館にお世話になっています。調べていたつもりでも、郷土資料コーナーに行くと全く知らない本がいくらでもあり、たくさんの情報を得られます」

 ――この問題を知った時にどう思いましたか。

 「驚きました。ひょっとして国は、なぜ公共図書館が存在するのか、わかっていないのではないか、と思いました」

 ――なぜ存在するのでしょうか。

図書館への依頼に、「良心の呵責」のあとが見えないのはなぜなのでしょうか。それを考えるために、図書館を「メディア」ととらえてみることを、門井さんは提案します。

 「日本という国の根幹は、デ…

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