義実家に行かず書店で過ごす年始 あえて三が日に営業する店主の思い

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中野浩至
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 もうすぐ新年がやってくる。世の中がお祝いムード一色に染まる一方、そんな空気感が苦手だという人もいる。年末年始になるときまって家族だんらんが求められるような風潮に、息苦しさを感じているのだという。

 年末年始が少し苦手だという人たちに、そっと「居場所」を提供する店がある。

 昨年の1月2日。東京都府中市の分倍(ぶばい)河原(がわら)駅前のビル3階に入る「マルジナリア書店」を、市内のアルバイト女性(50)が1人、訪れた。

 14坪ほどの店内の窓際に併設されたカフェ席に座り、振る舞われた甘酒をすすりながら考え事をしたり、この日に買ったばかりの本を読んだり。「学校の授業をサボっている」ような背徳感と、1人で自由を満喫しているという高揚感を静かにかみしめた。

 夫と子どもたちは、都内にある夫の実家に帰省している。いつもなら自分もついて行くが、「もう勘弁してほしい」という思いで、1人自宅に残った。

1人になる時間を大切に

 夫の親族に「悪い人」はいな…

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この記事を書いた人
中野浩至
東京社会部
専門・関心分野
税務、事件・事故
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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2024年12月28日10時0分 投稿
    【視点】

    孤独感について、<どうやって過ごそうかと考えはじめると、どこかへ逃げ出したくなってしまう。逃げるわけにはいかないと思い直して、とにかく早く過ぎてほしいと思う>と表現した人がいたことを思い出している。年末年始のような寂しさを感じやすい時期こそ

    …続きを読む
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