第2回配属ガチャ、外れた? 入社して見えた「女性が輝く会社」の裏の顔

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A-stories 「昭和98年」の女性登用 管理職はなぜ増えない?

 30代の女性が働いていた会社は、就活生の人気企業ランキングの上位にも入る業界大手だった。

 ホームページにはワーク・ライフ・バランスの文字が躍り、女性社員がいきいきと働いている様子が紹介されている。

 社名を言うと、「働きやすそうな会社だよね」とよく言われた。

 女性が輝く会社、だれもが活躍できる環境……。入社当初はそう思っていた。

 「でも、どこに配属されるか。その『配属ガチャ』の結果次第で、将来の描き方にだいぶ差が出るんです」

 女性が配属されたのは、営業職だった。

 東京本社ではなく、地方の営業所からキャリアが始まる。

 平日は得意先の接待で酒席を共にし、週末は社内や取引先の付き合いでゴルフにも駆り出された。入社年次による「先輩・後輩」の上下関係が重視され、学校の部活のような雰囲気だった。

 忙しかったが、やりがいもあり、当初は「楽しい」と感じていた。

 だが、結婚や出産といったライフステージの変化にともない、少しずつ違和感を感じることが増えていった。

 数年で本社にあがれるわけではなく、地方転勤を繰り返さなければ、より責任のあるポジションに就けない。

 当時の上司も、家族を東京に残したまま単身赴任する人たちばかり。女性社員の中には、結婚や出産のタイミングを「いつなら迷惑をかけないか」と悩む人が少なくなかった。

 ホームページに描かれている世界は、本社の一部にしか当てはまらないことが、だんだんとわかってきた。

 それでも仕事は面白く、女性は残業や休日出勤を重ねて結果を出した。

結婚、出産、そして…

 私生活も捨てたくないと、社…

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    田中俊之
    (大妻女子大学准教授 男性学研究者)
    2023年2月2日12時36分 投稿
    【視点】

    会議の開始が遅れたり、終了が伸びたりすることはよくありますが、保育園のお迎えなど時間的な制約がありながら働いている人にとっては大問題です。僕もかつて悩まされた経験があります。しかし、家事・育児は全て妻に任せ、仕事中心の生活をすることが「普通

    …続きを読む
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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2023年2月3日10時46分 投稿
    【視点】

    これ令和の記事なのか。80年代の話だと思った。まったく変わらない企業がまだまだたくさんあるのですね。この女性のように仕事が楽しいからと自分に負荷をかけて働くなかで、結婚、出産というライフステージの変化にともない同様の働き方では限界を感じてく

    …続きを読む