阿川佐和子さん、対談連載30年の情報収集法 ネット検索で失うもの
週刊誌での対談連載が今年で30年目を迎えた作家・エッセイストの阿川佐和子さん。これまでインタビューした相手は、1400人以上にのぼる。どのように情報収集をしているのか。阿川さんなりの「検索」について聞いた。
――週刊文春での連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」は、1400回を超えましたね。
誰も祝ってくれないけれど(笑)、今年で30年目になります。気がついたら30年経っていたという感じです。
――インタビューの前に、必ず資料を取り寄せて情報収集されているとか。
対談相手が過去にどんな発言をしているのか。どういう媒体でとりあげられているのか。そういうことを調べるために必ず、雑誌専門の図書館「大宅壮一文庫」(東京都世田谷区)で取り寄せた資料を読んでから臨みます。30年間、ずっと続いているルーチンです。
完璧に読むと油断が生まれてしまう
――情報収集のためには、とにかく量が大事なんでしょうか。
編集担当者が、紙袋二つ分にもなる資料を大宅壮一文庫から取り寄せて、「読めないよ!こんなに」ってなったこともあります。
でもそもそも私、資料を読むのが、実はとても苦手なんです。読み切れなくて、そのまま朝になっちゃったなんてこともしばしば。
ただ、これは私の言い訳なん…