第4回いいお父さん役ばかりの橋爪功 本当にやりたいのは「一番悪いやつ」
俳優・橋爪功さんが半生を振り返る連載「ついつい皮肉を言いたくて」。全4回の4回目です。(2023年6~7月に「語る 人生の贈りもの」として掲載した記事を再構成して配信しました)
《1999年開始のテレビ朝日系ドラマ「京都迷宮案内」シリーズの新聞記者で10年、主役を張った。走る場面が多かった》
僕は顔も含めて、主役級の役者じゃないとずーっと思ってたんですよ。主役級の人がよく考えながら歩きますわね、それは絶対やるまいと。歩くよりは走る。そこには余分なものがない。最初に監督に言ったらすぐ乗ってくれて。どうでもいいようなことを工夫するのが好きで。たばこを吸うと必ずライターの炎がばーっと飛び出すっていうのもずーっと続けましたしね。
連続ドラマは正味50分あるかないか。ちんたら歩いてるともったいないから、走るようにしたんです。背広着てネクタイ締めて、デイパックしょって走ってた。今じゃ背広にデイパックって当たり前になってるじゃないですか。あれたぶん、俺が走りじゃないか。
あのドラマ、殺しとか血が一切出ないんですよ。野際陽子さんや北村総一朗と、謎解きとくだらないことやってるっていう。今でもやりゃいい。世の中からユーモアがなくなっちゃったよね、いろんな意味で。
《90年代のラジオドラマ「…