アトピー性皮膚炎の注射薬、小児への適応拡大を了承 厚労省専門部会
既存の治療で十分な効果が得られないアトピー性皮膚炎の患者のための治療薬が、小児にも使えるようになる。仏サノフィ社の「デュピルマブ(販売名デュピクセント)」について、厚生労働省の専門家部会が28日、生後6カ月以上の小児に適応を広げる変更申請を了承した。
この薬は皮下に注射するタイプ。体重によって投与量と間隔が異なる。投与間隔は、5キロ以上30キロ未満なら4週に1回、30キロ以上なら2週に1回となる。
炎症の原因となるサイトカインと呼ばれるたんぱく質に働きかけ、炎症やかゆみを抑えたり、皮膚のバリアー機能を保持したりする効果があるとされる。
ステロイドや免疫抑制剤など従来の治療では効果が得られなかった子どもへの新たな治療の一つとして期待されている。
小児を対象とした臨床試験では、ステロイドの塗り薬を使いながら、デュピルマブを併用したグループと偽薬を使ったグループで比較した。
その結果、アトピー性皮膚炎の重症度や範囲を示すスコアが75%以上改善した患者の割合が、デュピルマブを使ったグループは43%だったのに対し、偽薬を使ったグループでは19%だった。
注射部位に発疹や腫れ、かゆみなどの副作用が出る場合がある。