「宇宙より息子愛」で育休7年 女性研究者が日本で起こすビッグバン
金髪にきらきらネイルを輝かせながら、アップテンポな曲に乗せて宇宙の謎について早口で繰り出す。「アンドロメダ銀河が秒速110キロで接近中!」「宇宙は外から見ると端があるけど、内から見ると無限?」。そして最後は決まって「ピース!」。
動画投稿アプリ「TikTok」を始め、SNSで約60万人のフォロワーを抱える「天文物理学者BossB」さん。その素顔は、米コロンビア大学大学院や独マックスプランク研究所などを経て、7年間の育休後に復職した藤田あき美さん(51)だ。いまは信州大学工学部の准教授として、宇宙物理学や英語の論文の書き方などを教える。BossBというネームは、自立した女性を意味する英語のスラングからつけた。
「世の中は、ずっと男の人の都合のいい社会だった。良妻賢母なんて言葉、くそ食らえと思っています」
幼稚園のころ、白雪姫の劇を見て思った。「なんで女は自由じゃないの? 白馬の王子様を待っていないといけないの? 女だったら、魔女の方が自由に生きていてかっこいい」
違和感を感じたのは、それだけではなかった。
生き方に迷った高校時代 「答えは、宇宙にある」
地元町内会の祭りでは、男た…
Think Gender
男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]