色彩が消えた母は僧侶になった 「一発目があんたやで」息子に語った

有料記事

大野博
[PR]

 「楽しんどいてや」

 自宅を出る長男に声をかけた。

 大学生になって初めての学園祭。翌朝になっても帰ってこなかったが、友達と一緒にいるんだろうな、と思っていた。

 2009年11月2日。まだ早朝だった。

 竹下暁代(あきよ)さん(54)=奈良県五條市=は、高校生だった次男の弁当を作り始めた。

 携帯電話が鳴った。

 「息子さんが心肺停止状態です」。救急隊からだった。

 そこからの記憶は途切れ途切れだ。

 搬送先の病院に駆けつけたが、最期の言葉も交わせなかった。

 関西大1年だった康平さん。学園祭の打ち上げでボウリング場を出た後、同級生たちと車に乗り込んだ。その車が未明の大阪市内を走行中、道路脇の街灯に激突した。

 あと4日で19歳の誕生日だった。

 ひとり親家庭。ヨガインスト…

この記事は有料記事です。残り1249文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    塚田穂高
    (文教大学国際学部教授・宗教社会学者)
    2023年11月30日22時46分 投稿
    【視点】

    記事で取り上げられている竹下さん親子に対しては、手を合わせるほかありません。 以下、あくまで「メディアと宗教」の問題として指摘します。 本記事は、「仏教」「僧侶」「寺院」が対象であって、「墓前」で「読経」するということで取り上げられてい

    …続きを読む