第3回万博建設費増額、ささやかれる「3度目」 首相は否定も…予断許さず
10月に最大2350億円への再増額が公表された大阪・関西万博の会場建設費。日本国際博覧会協会(万博協会)は2度目となる増額は想定外だったと説明するが、関係者の間ではもはや「既定路線」の展開だった。
2005年の愛知万博を参考にして当初1250億円を想定していた会場建設費は、20年12月に会場の暑さ対策などを理由に1850億円に上ぶれする。
万博協会の石毛博行事務総長は朝日新聞の取材に、「1850億円が事実上の建設のスタートライン。誘致のときに決めた1250億円は元々、相当無理のある話だった」と振り返る。ところが今回さらに、2350億円に膨らむことで当初想定の1・9倍となり、国民負担はさらに増すことになった。
協会が再増額の主な理由として挙げるのは、建築資材、工事の労務単価の高騰だ。「物価の上昇、コロナ、ウクライナへのロシアの侵攻契機にしたものもあるし、やむを得ざることだ」。上ぶれの金額を正式に表明した10月20日の記者会見で、石毛氏はそう説明。協会の責任を問われると、「責任と言われても何をもっておっしゃるのか」と苦笑するしかなかった。協会幹部も「予測できなかったことは仕方ない」と強調する。
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ただ、協会関係者の間では…
- 【視点】
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