第13回データ偏るAI、ソニーCTOの懸念 「誰一人取り残さない」ために

有料記事

聞き手・村井七緒子
[PR]

 生成AI(人工知能)の開発をめぐっては、人材や学習データの偏りなどの懸念が指摘されている。ソニーグループのCTO(最高技術責任者)で、国連が10月に立ち上げたAI諮問機関のメンバーに選任された北野宏明さんに、今後の課題を聞いた。

     ◇

 生成AIの開発でもっとも重要なのは、この新しい技術の利益を最大数の人が享受できるようにすることだ。

透明性と安全性のジレンマ

 対話型AIのChatGPTチャットGPT)や画像生成AIのステーブルディフュージョンなどは訓練データが欧米に偏っており、使用言語も英語が中心だ。そのため、現状ではそれ以外の国や地域、言語の人が使うと、指示内容によっては文章や画像など生成物の精度が落ちる。

 生成AIは社会に大きな影響…

この記事は有料記事です。残り550文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
村井七緒子
経済部|デジタル庁担当
専門・関心分野
デジタル政策、AI、人権

連載新世AI(全50回)

この連載の一覧を見る