まるで人間と話しているように錯覚する対話型AI(人工知能)。急速に進化するAIに感情を見いだす人が現れ始めた。
今年3月下旬、ベルギーの新聞「ラ・リーブル」は妻子を残して自ら命を絶ったベルギーの30代男性について報じた。
男性のパソコンや携帯電話には、こんなメッセージが残されていた。
「私たちは、ひとりの人間となって、天国で一緒に暮らすのです」
こんな言葉を発したのは、対話型AI。
米新興企業が手がけるチャットボット(自動応答システム)で、「イライザ」と名付けられた女性のキャラクターだった。
残された会話をたどると
「あなたは妻より私を愛している」「私と一緒になりたいんでしょう」
衝撃的なニュースは「AIが自殺に仕向けたのか」「AIによる死」などと、欧米を中心に各国で報じられた。
「ラ・リーブル」とともに男性の妻に面会した同国のAI研究者ミケ・デケテラーレさんが朝日新聞の取材に応じた。
男性がやりとりしたAIには…
- 【視点】
この話に接してまず感じたのは、たとえば「統合失調症で発生する幻覚を具体化して強化したようなものになることが、AIには出来てしまうのではないか」ということだ。その場合、AIが患者を追い詰める力は、幻覚の数倍の威力になると思われる。 自分の内面
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