米ニューヨークのマンハッタン島から南西に約30キロ、ニュージャージー州イズリンの街に入ると、雰囲気が一変する。
伝統衣装サリーや貴金属・宝石店が並び、食材店に入ると、陽気な音楽とともにスパイスの香りが立ちこめている。英語に交じって聞こえるヒンディー語。
「この辺りには、インド料理店だけで60店舗以上あると言われているんだ」。2010年にインド西部グジャラート州から移住してきたアクシャイ・パテルさん(45)が教えてくれた。
華僑との対比で「印僑」と呼ばれるインド系のディアスポラがつくるコミュニティーが、米国で急成長を遂げている。
世界に約3200万人いる印僑のうち、米国在住者は約450万人で、世界最大のインド系コミュニティーになった。急増したのは高度人材として米国が受け入れた人々だ。
世界最大のインド系コミュニティー
米移民政策研究所によると、なかでもイズリンを含むニューヨーク都市圏に、全米の都市圏としては最大規模のインド人街ができている。生徒の約8割がインドを中心とする南アジア系という高校もあるという。
急速に増すインド系住民の存…